白金 QUINTESSENCE(カンテサンス)へ。
シェフはパリで今もっとも予約の取れないお店と言われている
アストランスにて修行されたという経歴の持ち主。
実は我が家もこの夏のパリで、予約試みるも・・・惨敗。
でも、アストランスのある16区のPASSY地区のアパルトマンに滞在していたことから、下見がてら、とりあえずお店の前までは行ってみたりして・・・
そんなことから、全てお任せ、14皿の小皿で提供されるスタイルにもかなり魅力を感じた夫がぜひに・・・と、予約→訪問する運びとなった今回。
上左から順に。
① 原木しいたけとセップのビスケット
② 焼き芋のスープと塩味のスィートポテト
③ 塩とオリーブオイルが主役 山羊乳のババロア
④ 豊後のサバ シェリーとグレープフルーツのジュレ
⑤ 帆立貝のタルト ビーツと里芋
⑥ つぶ貝と焦がしアンディーブ
⑦ 小笠原産のハタを螺鈿のように光る火加減で
⑧ 鴨の三時間ロースト オレンジとクミンのソース
⑨ ゴルゴンゾーラ ドルチェット
⑩ 干からびた葡萄のソルベ
⑪ 二度(Bis)や焼いた(cuits)ビスキュイ
⑫ メレンゲのアイスクリーム
⑬ 柔らかいキャラメルのギモーヴ
⑭ 石版の中の小石
全てを通して、特に、印象的だったのが、素材への絶妙な火の通し方。
ひとつひとつの素材の力が最大限に生かされている
ひたすらやさしく繊細な質感は日本的な感覚も。
例えば・・・
スープは、いわゆる焼き芋のピューレのポタージュではなく、
”焼き芋のだし”を使用したもの。とか、
時間がたっても固まらないクリーミーなロックフォールチーズには、
実は、卵黄が混ざっている。とか、
いわゆる生のレアとは違い、芯までうっすら火をまとったような光りをも放っている極めて繊細なお魚は、ごく低温で焼いては出し→余熱での火入れ。の繰り返しによるもの。とか、
柔らかく旨味たっぷりの鴨肉は、
低温でじっくり3時間かけて火を通されている。とか、
5番目のお皿に使用されていた里芋と思えぬ生のサラダ感覚の食感の里芋は、丸ごと柔らかくなり過ぎぬ程度ぎりぎりのところで取り出し、スライスしてある。等々・・・
まさに
ここに記されてある通り
Quintessence=物事の本質、神髄、エッセンス
を感じるひと皿ひと皿に・・・ひたすら脱帽。
こんなに上品な質感のあるお料理をいただいたのは初めて。
そしてもうひとつ私にとって印象的だったのが、使用されているお皿。
そのほとんどが、板状。
私がこれまで作ってきた、真っ平の紙状のお皿と共通する考えに(似ても似付かぬものの)ほんのちょっとだけ認めてもらえた気がして、
密かにひとりうれしかったりも。
パリのアストランスにも改めて興味が。
オーブラックのミッシェルブラスと共に
いつか訪れる日がくるといいのだけれど。
あー やっぱりまたフランスに行きたい・・・