釉薬テスト済み。
狙いの色加減意識しつつ、釉薬掛け作業。
最後の最後、念には念をいれ、
スポンジで、表面きれい〜きれい〜
せんべい(丸い下敷)も引いて‥
焼成もゆっくりじっくり時間をかけ設定。
念には念をで85°で2時間あぶり‥
これ以上なにがあろう。
ばっちり万全態勢☆
な、な、な、な、な、なんてこと!
こ、こ、こ、こ、これは、、、
い、い、いったい、、、
この予期せぬ緊急事態、いても経ってもいられず
宮内庁御用達大先生始め、周囲の陶芸作家たちに電話しまくり、
症状をあれこれ聞いていただく。
一同、焼成時間、状況に於いては問題なしとのことで意見一致。
最終的な診断結果は
冷め割れ
簡単に言えば、最後焼けるまでは問題なし、冷める段階で割れた。
という悲しき状況。
ぐいのみ鏡餅は、磁器(一般的には制作に於いて繊細な扱いになる)で、おまけに中にだけ釉薬がかかっており、外は無釉という、要は 表=素肌 裏=化粧が塗られている という特殊な状態。
表と裏のふたつの状況差から収縮の差が生じやすくなり、冷める段階で片方にひっぱられ、無理が利かなくなってこのように割れてしまうことはありうるのだと。
おまけにこのぐいのみ鏡餅は口のゆがみを防ぐ意味からせんべいを敷き、ふさいで焼くため、中に熱気は籠り外から冷めていくという環境。
とはいえ、これまで同じ状況(むしろもっと過酷な温度設定でも)今回とは異なる磁土では大丈夫だったわけで‥
どうやら磁土を変えたことが原因のひとつでもあるよう。
(酸化焼成の場合、上質な磁土だとその状況が起こりやすくなりうるとの説も)
嗚呼、しみじみ
陶芸って博打
むずかしい。(でもだからやめられない。いや、ますます好きになりそう)
本日電話をした陶芸作家の先生方、状況↑こんな感じです。
ご立派な陶芸作家先生方でも、多かれ少なかれ似たようなご経験がおありなようで
皆わたしの気持ちをわかってくださり‥あれこれ親身にアドバイス、感謝です!
嘆くわたしに、
「これは立派な陶芸家の悩みだぞ!」
となぐさめてもくださり‥とほほほほん。。。
ボジョレーヌーボーさながら今年は例年を上回る出来だ!
などと思っていただけにがっかり。
その残骸も凛々しく美しく、
理想通りの色調、質感、フォルムが伺え、切なくもあるものの
ここまで大胆だとあっぱれ。
誇らしくすらみえるものでございます。
なにはともあれ、大変良い勉強になりました。
お申し込みくださった方々
とそんな感じではございますが
美しく焼けたみかんあり。
生き残ってくれた生命力溢れる子もわずかにおり
また自分用記録として別時焼成していたものもあることから
当初の予定よりは少ないものの対応させていただく方向でただいま検討中。
とはいえ残念ながらせっかく楽しみに待っていただきながらもご希望に添えない方が多くでてしまうことは確かで‥大変申し訳なく思います。が、ぐいのみ鏡餅 ボジョレーヌーボー的には2010年版は良い出来ながら数は少ないということで‥また来年楽しみにしていただけたら幸いです。。。